みんな、なんのために二次創作してる?

最近、自分の周りで「検索避け」についての話題が活発になっている。

検索避けについてこの記事ではそこまで細かく触らないので、気になる人は調べてみてほしい。


そんな中、自ジャンルでお祭り騒ぎが起きて、どうしても書きたい話ができて、ここ数週間マジで命を削る勢いで書いてた。

何時間も通話しながらタイマー回して、ずっと自分の書いてる小説のこと考えて、そんなことを毎日繰り返してたら、朝起きた時にふと思った。

 

「私なんでこんなに必死になって書いてるんだ?」

 

若干冷静になった頭で考えると、めちゃくちゃ労力かかるのに別にお金になるわけでもなく、原作がある以上著作権上のリスクも生じる。

X(Twitter)を見ていると、今日も検索避けとか二次創作についての話がされてて、「二次創作はグレー」「一般人の目に入ったらいけない」などなどの主張を目にする。

じゃあなんで私達は、そんな大変な上に怒られの発生することを、必死になってやってるんだろう。

 

 

私にとっての二次創作

※ここは私の自分語りなので、オタクの自分語りなんかいらんという人は読み飛ばしてください。

 

私は二次創作の中でも、夢小説を書く自己投影夢思考のオタクだ。

夢創作について一言でいうのは難しいんだけど、私自身は大体キャラとの恋愛ものを好んで書くし、読む。

自分はこのキャラのこういうところが好きで、できるなら自分のことも好きになって欲しくて、私のキャラのいるこういう世界がどっかに本当に存在してくれ〜と思いながら小説を書く。

私にとっての二次創作は、そういう祈りだ。

 

私は自分の書いた二次創作をネットで公開しているし、本にして頒布もしている。

なぜ二次創作を公開しているかといえば、シンプルに自分の書いたものを誰かに見てほしいからというのが大きい。

誰かが自分の書いたものを読んで共感してくれたり、感動してくれたり、好きになってくれたら嬉しい。

自分の書いた二次創作を読んで原作に手を出した、なんて聞いたら死ぬほど嬉しい。

 

そして二次創作を公開している以上、いろんな人の目に入る。それは原作公式も例外じゃないと思っている。

自分の書いたものが公式の目に入ることがあるなら、自分はマジで原作が好きで、こんなにキャラのことが好きなんです!っていうのが伝わればいいなと思っている。

 

イベントを主催した時の動機

とあるジャンルでWEB上で夢オンリーイベントを主催したこともある。

動機は、とにかくそのジャンルのいろんな人の夢創作が見たいっていう思いだった。

いろんな二次創作が生まれるには、もっとたくさんの人が原作を読んで、原作の人気が盛り上がるのがめちゃくちゃ大事だと思っている。

だから、イベントをやることで原作ももっと盛り上がればいいなという気持ちもあった。

そんな感じだったから、いろんな人の目に触れたらいいなと思って「検索避けをしない」というイベントの開催方針を決めた。

 

主催してると、結構「検索避けしてくれ」って声が届いて、それに対して私の意識表明ブログも書いた。

shinunapzrv.hatenablog.com

これ書いたらまあいろんな形でいろんなご意見が届き、その中には「二次創作が公式の人気に影響すると思ってるなんて烏滸がましい」っていうのを結構見た。

これについて自分は結構疑問だった。

自分の書いた二次創作見て、読んだ人間を自ジャンルにハマらせようみたいなの、みんな思わないの?私はめちゃめちゃ思う。

それって二次創作で原作を盛り上げたいっていうことじゃないのか?

 

他には「二次創作はほぼ黒に近いグレー」(多分ほぼ違法ってことだと理解した)「夢やBLは特殊性癖だから一般の人は見たくない。そんなものが目に入ったら原作に対する印象も悪くなる」っていう意見もいっぱい見た。

そういう人は「だから検索避けをしろ」っていう主張だったんだけど、それだったら検索避けしたとしてもほぼ違法の特殊性癖の作品をインターネットや同人誌の頒布で不特定多数の目に晒す前に、「なんで自分はそこまでして二次創作を公開するのか」を考えた方が良くない?と思った。

 

実際二次創作って公式の利益を損なってるのか?

著作権侵害親告罪だと思ってたんだけど、2018年から非親告罪になってることを知り合いから教えてもらった。

この辺の変化についてはこの記事がわかりやすいと思う。

www.kottolaw.com

簡単にいえば、今までは公式がダメだと言わなければ犯罪にはならなかったけど、今は公式の意思とは関係なく犯罪になる可能性が出てきたってこと。

※11/6追記 

法改正はしたけど、二次創作に関しては親告罪のままだよ!とご指摘頂きました。

参考はこちらのリンク

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/kantaiheiyo_hokaisei/

勉強不足ですみません。ご指摘ありがとうございます!

 

 

それだけ見ると二次創作って真っ黒じゃん。ってことになるんだけど、現状はやっぱり公式が黙認していることで、度を越したものでなければ訴えられたりはしてないし、これからもしないんじゃないかって見方がされている。

実際二次創作に関するガイドラインを定めて、「ここまではセーフ」って声明を出している公式も増えてきた。

それについてはこっちの記事が参考になる。

www.kottolaw.com

 

現状として、今の法律だと公式は二次創作を罪に問うことができるし、多分訴えたら公式が勝つ。

じゃあなんで利益を産むことを目的とした企業である公式がこんなに世の中に溢れている二次創作を訴えてないのか。

それってやっぱ、二次創作があることが公式の利益になるからなんじゃないだろうか。

 

実際ファンアートタグを作って、みんなのファンアートで盛り上げてね!っていう公式も結構いる。

ファンアートと二次創作は違うっていう言い方をする人もいるけど、言葉の意味としてはファンアートも二次創作だと私は思っている。

でもその辺ってオタクの中でも意見が違って、ジャンルによってはムラルールができて学級会が起きたりするのは結構よくある。

この辺の指針を公式が示さないでタグだけ丸投げするのは、公式の怠慢じゃないか?と最近思うようになった。

 

二次創作が公式の利益になってるのかはともかく、ファンアートタグを公式が作るなら、線引きが曖昧なんだからルールが提示されないと混乱が生まれる。

二次創作が公式の利益になっているんだったら、それこそちゃんとガイドラインを作ってセーフとアウトの線をある程度引いておけば、公式が目に余ると思った時は訴えられるし、公式の利益になる範囲で私達は安心して二次創作ができる。

そうなればオタク同士の独自マナーの押し付け合いにもある程度決着がついて、嫌な思いをする人も減って、二次創作と原作はもっと盛り上がりやすくなるんじゃないだろうか。

 

「他人の褌借りて承認欲求満たすな」っていう人もいるんだけど、公式の利益って点でいえば私はそれを悪いことだとは思わない。

承認欲求が満たされるくらい誰かに届いたなら、その二次創作はそれだけ原作を盛り上げたことになる。結局公式の利益になるってことだ。

 

「他人の褌」って言葉を借りるなら、公式から借りてるんだから公式が「どういう反応があったか」「どういう需要があったか」についてリサーチしてる時には二次創作を公式に開示した方が誠実だとも思っている。

もちろん、いろんな理由で公式に二次創作を見られたくないって感情があるのはわかる。私も自分の成人向け本が公式に見られてたらちょっと恥ずかしい。

でもそれこそ「他人の褌を借りているんだから」、その辺は覚悟するしかないんじゃないだろうか。

あと、「二次創作が好きな仲間だけで楽しみたい」っていう気持ちで鍵かけたり検索避けしたりしたところで、その原作や二次創作が好きな人はたどり着けるところで公開するなら、リサーチをしている公式に見つかることは覚悟しておくべきだと思う。

 

なんで二次創作をするのか考えようよ

二次創作や夢、同性愛、その他自分が好きなことや書いてることを卑下する人がオタクの中には結構多い。

でも、どういう理由があれ好きなことを自分で卑下しながら続けるのって、あんまり健全なことじゃないと思う。

 

本気で二次創作を楽しむために、後ろめたい気持ちがあるなら尚更、「どうして自分は二次創作をするのか」「どうして公開しようと思うのか」を考え直して、公開する場所を決めたり、検索避けするかどうかを決めたり、それを他の人にも求めるのが本当に必要なのか考えるのは大事なことだと思う。

だからこれを読んだ人には、ぜひ一度考えてみてほしい。そしてよかったら教えてほしい。

 

みんな、なんのために二次創作してる?