検索避けを強要しないでほしい

WEBオンリーを主催している者です。

イベントの告知をした時から、何回か「検索避けを徹底してほしい」「検索避けをしてくれるのなら参加したい」というお声を頂いています。

イベント概要にも書いている通り、私は検索避けをしないと宣言しています。そして、検索避けを強要されたくありません。

検索避けについて考える記事は他にもあるので、この記事では私の気持ちや私の考えに焦点を当てたいと思います。

 

内容まとめ

・検索避けとは

・「芋づる式に見つからないため」に検索避けが強要される

・現在マナーとされている検索避けは効果がない

・マイナス検索をしたい人にとって現在の検索避けはノイズ

・本当に検索避けをするなら作品の公開はやめたほうがいい

・オタクが隠れようとすればジャンルは衰退する

・それでも検索避けがしたいならそれでもいいけど強要はしないで

 

検索避けとはどんなものか

この記事で「検索避け」と呼ぶものは、現在マナーとされている

・knsk(小文字子音表記)

・けiんiさiく(アルファベット、記号での単語区切り)

・🔍(絵文字表記)

・公式をブロックする

などの行為を指します。

 

なぜ検索避けを強要するのか

 

検索避けをしている方の主張をみると、その理由は以下になると思います。

・公式に見つかると二次創作が規制される、訴えられる可能性がある

・二次創作を見たくない一般の方から隠れるべきである

 

その上での検索避けを強要する方の動機は以下であると考えています。

・検索避けをしない人がいると、芋づる式に検索避けをしている人も見つかってしまう

 

両方の意見を踏まえた上でも、私は検索避けはしたくない、また強要されたくないと思っています。

 

検索避けの効果

現在マナーとされている検索避けは、ほとんど効果がないと私は感じています。

理由としては、実際に検索するとひっかかる、検索しなくてもみえるからです。

 

現在のGoogleTwitterなどのサーチエンジンだと、アルファベット、記号での単語区切りはすり抜けて単語が認識されてしまいます。

なので、その単語で検索をかけるとそのツイートは検索に引っかかってしまいます。

 

また、Twitterのホーム表示にすると、Twitterが勝手におすすめのトピックを表示します。このトピックには、上記全てを行なっていても該当ツイートが表示されています。

おそらく、Twitterの方が既にトピックと検索避け表記について紐付けをしていると考えられます。

これらについては、ツイートした人が公式をブロックしていたとしても変わりはありません。

 

この現状で、現在マナーとされている検索避けが機能しているとは言い難いのではないでしょうか。

 

検索避けはマイナス検索のノイズになる

 

Twitterの仕様として、見たくない話題がある場合はキーワードをミュートワードに設定することが推奨されています。

この場合、キャラクター名やジャンル名、話題のキーワード等をミュートワードに設定すれば一連のツイートはその人に見えなくなります。

 

しかし「検索避け」がなされたツイートは、ミュートワードと一致しないので、ミュートをすり抜けてしまいます。結果、その話題を見たくない人に表示されます。

 

検索避け表記をミュートワードにしようとしても、特に絵文字表記に関しては関係ないツイートまで非表示にすることになるので、検索の際のノイズになります。

 

つまり、検索避けをすることによって、そのツイートをみたくない人にそのツイートが表示されやすい状況が作られているのです。

 

検索避けを徹底するには

 

それでは意味のある検索避けをするためにはどうすればいいのでしょうか。

結論からいうと、「公開しない」という選択肢が一番効果的です。

 

現在のマナーより有効だと思われる方法の一つが「公開アカウントに載せない」ということです。鍵カウントにすれば、検索には表示されませんし、見たい人にだけツイートを見せることができます。

しかし、検索避けの目的の一つである「公式から隠れる」という点において、100%有効であるとは言い難いです。

なぜかというと、公式の広報は必ずしも公式アカウントから検索をするとは限らないからです。

より広くファンやそうでない人の意見をみるために、閲覧用のアカウントを作ることは大いに考えられます。そういうアカウントを完全に見分けることができるでしょうか。

また、同好の士だと思っていたオタク友達が公式の中の人であるという場合もあります。

以上から、鍵アカウントにしても公式から完全に隠れることはできません。

 

そうなると、本当に検索避けをする方法は「公開しない」ことが一番有効であると言えます。

この公開しない、というのはインターネットに公開しないだけではなく、同人誌などの発行もやめるということです。

 

同人誌を発行して頒布する際、多くの人は大手イベント運営会社のイベントに参加したり、同人誌書店に委託すると思います。

ですが、大手イベント運営会社も同人誌書店も公式名称を使用しています。

なので「企業名 ジャンル名」で検索を掛ければ、イベントや同人誌を見つけることができます。

 

そして、公式が二次創作を規制したい場合、同人誌で大きな利益を得ているこれらの企業に手を回したり、そこから二次創作をしている人を一網打尽にすることができます。

インターネットに公開しなくても、二次創作をどこかで公開しているなら、「検索避け」の目的は果たせません。

 

検索避けを徹底するとどうなるか

それでは、二次創作を公開することをやめ、効果のある検索避けをファンが徹底するとどうなるでしょうか。

公式はファンの動向を把握できなくなります。どのキャラクターが人気なのか、どの話や企画が好評なのか、そういった市場調査が機能しなくなります。

そうすると「この作品は人気がない」と判断される可能性が高いです。

人気がないと判断されれば、その作品はメディア展開されないでしょうし、ソシャゲであればサービスが終了するでしょうし、最悪作品が打ち切りとなります。

 

こうなっては検索避けをして原作を楽しみたいという目的は、本末転倒になってしまうのではないでしょうか。

 

自分の好きな作品がファンのマナーで潰されていくのは、私は絶対に嫌です。

 

検索避けをするかどうかは自由

私は、二次創作も原作も好きです。

だから二次創作が見られなくなるのは嫌ですし、原作が潰れるのも嫌です。

 

前の章で書いたように、現在マナーとされている検索避けはほとんど機能を果たしておらず、ほとんどおまじないのようなものです。

だとしても、「隠れているポーズを取りたい」「検索避け表記で検索する人に作品を届けたい」「検索避けをしているコミュニティに入りたい」など、さまざまな理由で検索避けをしたい人がいると思います。

なので、それを行うかどうかは個人が判断していいことだと思っています。

実際私の主催しているイベントでは、検索避けをしている人でも参加をお断りはしていません。

 

判断をする際に、検索避けをする目的やメリット・デメリットについて考えてほしいのです。

目的意識がはっきりしていてそれを行うことと、何となく周りに流されてそれを行うことは大きく違うと思います。

検索避けをする人も、しない人も、一度作品を公開する目的や検索避けをする目的について考えてほしいです。

 

最後に

付け加えておくと、「検索避け」と「ゾーニング」の話は全く別です。

成人向けの内容は、きちんと未成年に見えないようにする必要があります。

その作品が存在することやジャンル名・キャラクター名が検索に引っかからないようにする必要はありません。成人向けの表現を未成年や見たくない人が見なくて済むようにすればいいわけです。

これにはpixivのR18設定、ポイピクやプライベッターなどの利用が有効であると考えます。

この点については、創作をする上で徹底しなければなりません。

 

その上で現状、検索避けは他人に強要しなければならないものではないと私は考えています。

どうしても検索避けのしてあるイベントに参加したいのであれば、検索避けをしたい人同士で集まって、検索避けのしてあるイベントを企画してください。

当イベントに検索避けを強要するのはやめてください。

 

7/30 追記

たくさんの反応・ご意見をいただいています。

その中で「二次創作であることがわかるため、また見たくない人のマイナス検索のために『非公式』『二次創作』『カップリング創作』『夢創作』などの表記をつけるのはどうか」と言うご意見がありました。

多くご意見をいただいていた、

・一般の人が公式と二次創作を混同視してしまうかもしれない

・見たくない人のために検索を避けられる方法が必要

この二点を解決できるのではないかと考えます。

繰り返しになりますが、現状マナーとされている検索避けは、公式から隠れることも、一般の人から隠れることも、見たくない人から隠れることもできていない状態です。

この方法を使えば、少なくとも「原作と二次創作が混同されない」「見たくない人が二次創作をマイナス検索できる」と言う状況が作れるのではないでしょうか。

皆様のご参考になればと思います。